身体があまりにも軽いので、
終業後、帰路の道程のうち
およそ20m足らずの距離を
全力で駆けてみた。
この身体に走るという動作を
命じたのは何年振りのことだろうか。
当然ながら学生時代の様な
洗練された肉体操作は叶わない。
酒に使う筈のお金が行き場を無くしている。
そのことを口実にして、
明日は親を食事に誘ってみよう。
走り終えた僕は、
乱れた呼吸を整え、
夕刻を過ぎてもなお
青く輝く空に向かって、
大きく息を吐き出した。
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