コロナビールをごく自然に求めていた

星野源さんとのコラボ作品(完全版)

制作を終えた僕の右手は、

冷蔵庫でキンキンに冷やした

コロナビールをごく自然に求めていた。


自分の力を限界まで出し切って

マラソンを完走した後に感じる

充足感に似た気持ちと、

2ndアルバムに向け、

本腰を入れて

ようやく取り掛かることができる

ある種の開放感と、

その他自分でも整理のつけようがない

様々な感情を抱いて、

僕は泥酔の海に飛び込むことにした。

異論は受け付けない。


そんな話はさておき、

今日はとても気分が良いので、

(実はすでに飲んでいるのだ)

コラボ作品の裏話をしよう。


作中のエンディングで

流れている曲は、

或るアイルランド民謡をモチーフにして、

ファミコン風にアレンジした曲だ。


アイリッシュミュージックに

堪能な紳士淑女は、

サリーガーデンという名曲が

頭の中に浮かぶと思うが、

そのような人はごく少数だろうと

僕は睨んでいる。

何故ならこの曲は、日本では、

あまり知名度の高い曲とは

言えないからだ。


それでもなお、

この曲を選択したのには理由がある。


今から10年以上前、

モジプールが結成されるより

ずっと前の話だ。

僕は夜な夜なギターを担ぎ、

アイリッシュミュージックの

セッションに参加することを

生き甲斐にしていた。

目的は音楽と酒を楽しむため、

それだけだった。

僕はアイリッシュパブで、

ギネスビールを飲みながら

演奏するサリーガーデンが

とても好きだった。


そんな夜を繰り返していた

ある日のセッションの帰路、

僕は駅前でギターの弾き語りをしている

同年代の男性を見つけ、

何かに引き寄せられるように、

足を止めてその歌声を聴いていた。

すると演奏の合間に、

その男性が話しかけてきた。

実はその男性こそ、

我らが土屋先生。

これが僕と先生との

ファーストコンタクトだった。


当時はお互いに未熟者だったが、

あの出会いから幾星霜、

僕たちはそれぞれ失敗しながらも

少しずつ成長してきた。

今、その道程を振り返り、

(随分遠くまで歩いてきたなあ)

という僕の想いと、

サリーガーデンの望郷感が

絶妙にマッチしたのだ。


という訳で、

僕は作中のエンディング曲を

サリーガーデンにしようと決めた。


この作品はパラパラ漫画という

視覚的要素はもちろん、

音楽としても楽しめるように、

作中のBGMの細部に至るまで

3人でこだわって制作しているので、

是非聴き込んでほしい。


付け加えて言えば、

音源の作り手のエゴとして、

(この曲、サリーガーデンだね!)

と気付いてくれると

嬉しさは格別なのだが。


僕のこの想いが誰かに届くことを祈る。



BGMIrish traddown by the sally gardens

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コメント: 6
  • #1

    中村 (日曜日, 17 5月 2020 15:00)

    ↓↓星野源×モジプール(完全版)公開中
    https://m.youtube.com/watch?v=lyN8fYM6vKA

  • #2

    つち (日曜日, 17 5月 2020 21:16)

    Facebookで既に2人からサリーガーデンじゃないかと言われてます!アイリッシュやってるダルシマー奏者と、ピアノ弾き語りされてる方!音楽はいつでも僕らのそばにある!

  • #3

    ひろ (日曜日, 17 5月 2020 21:19)

    おぉー!なんともキュンキュンする話やね!ひさやんと先生との出会い、そしてつっち〜と私との再会がないと、今はないんやね♪感慨深い!
    そしてやはり何人かは、サリーガーデンに気づいたよ!!

  • #4

    中村 (火曜日, 19 5月 2020 17:55)

    なんと!世界は広い!
    あと、予告編と完全版のアレンジが若干違うので、聴き比べていただければ本望であります。

  • #5

    松井 (金曜日, 05 6月 2020 21:09)

    ツッチーとの話は初耳やな。そんなんやってんな^_^
    石倉さん、知らんやろな。と飲んでたときそんなことを言うとったような気がするわ。。

  • #6

    おく (火曜日, 09 6月 2020 07:58)

    素敵な出逢い、だね!
    サリーガーデン、知らなかったけど聴いてみよう♪