陽が昇る前の高麗広で

瞳を閉じれば四方に広がる

私たちの愛した風景。

3月の通り雨が木々を潤し、

たちこめる霞は瑞々しく、

地面に重なる落葉を包み込む。

自然の摂理に抗わず、

清流のせせらぎに耳を澄ました。

私たちが過ごした風景。


異郷の宣教師が持ち込んだのは、

信教と文明、そして資本主義。

豊かさの代償として、

山は開拓され、川が汚染されていく。

じっと見つめていた

壊されていく私たちの風景。


最後に残された聖域は、

私たちで護ろうと決めた。

立ち入りは許されない。

たとえそれが

神の意思であったとしても。


土足で踏み入る

3人の汚らわしき異郷の民。

思い出すのは、

奪われしあの日常。

今こそ立ち上がる時だ。

怒りと狂気を纏い、

武器を手に取れ!


(回想終わり)

ふと気付くと、

陽が昇る前の高麗広で、

僕は棍棒を振りかざして

走り出していた。



BGMTAKUYA and the cloud collectorsuncontrollable

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コメント: 3
  • #1

    つち (日曜日, 15 3月 2020)

    2020、原住民の怒り。これ、試験に出るからね。しかし、小学生の様に無邪気に棍棒持って走り回ってたよね(笑)

  • #2

    ひろ (日曜日, 15 3月 2020 12:42)

    そんなこと考えてたん!?あげる声も出なかったわ〜(笑)

  • #3

    中村 (日曜日, 15 3月 2020 14:03)

    (読者諸君へ補足)
    PV撮影ロケ地での空き時間の戯れでございます。