僕の海外旅行記

新元号を迎えるにあたり、

本来であれば日本国の地で

天皇陛下並びに上皇陛下のお言葉を

正座をして拝聴すべきところであるが、

不敬にも、今、僕は、

バカンスを取得して

グアムの青い空を眺めている。

ここは名のある観光地だけあって、

繁華街であれば片言の日本語で

現地の人とコミュニケーションを

取ることが出来きるし、

日本人観光客も大勢いるので、

海外に来た気が全くしない。

僕はホテルへ向かう

マイクロバスに揺られながら、

いつか見た熱海の街並と

バスの車窓を重ね合わせていた。

しかしながら、

言語の違いはもちろん、

生活習慣や文化の違いには、

かなりのストレスを受ける。

まずチップの渡し方が分からない。

また、店で店員を呼びつけることは

海外では無礼な行為のようだ。

ホテル近くのレストランで、

そのことを気にしてしまい、

ビールを追加注文する

タイミングが分からず、

僕はいつになくイライラしていた。

(最終的には、日本の居酒屋と

変わらぬ手法で店員を呼び付け、

待望のアンバーエールを

獲得することになる)

また屋外での飲酒はダメだと

現地の人に教えてもらった。

ここでは無限月読が使えない。

飲んでくれと言わんばかりの

常夏の青い空と太陽が

微笑んでいるにも関わらず！

仕方なく(家族もいるので)

オープンテラスのある

酒場に行くのを我慢して、

僕は店で買い込んだ大量の地ビールを

ホテルの部屋で消費することにした。

奮発して大金を投入した

オーシャンビューのホテルの部屋から

ビーチへ向けて僕は叫んだ。

『青い空なんて大嫌いだ！』と。

その瞬間、ベッドの上で

ピョンピョン跳ねていた

息子たちの動きが止まった。

大人はいつだって

自分勝手な生き物なのだ。

(その数秒後、

まるで何事もなかったかのように

息子たちは再び無邪気に飛び跳ね出した)

BGM：エレファントカシマシ『ガストロンジャー』