よって睡眠時間を排除すべきだ

僕は睡眠時、夢を見るということを

あまり経験せずに育ってきた。

夜、睡魔により意識がなくなり、

気がつくと朝になっている、

ということが常だった。

(夢を見ないということに

理由が存在するのかどうか

僕には知る術がないし、

特に知りたいとも思わない)


睡眠は人生において不要なものだ。

よって睡眠時間を排除すべきだ。


この考えが確立したのは

僕が20代前半の頃だった。

そして僕は、何事に関しても

哲学者のように頑固でストイックだった。

当時の睡眠時間は3時間程度で、

食事もあまり摂らずにいた。

寝床はいつもソファか床の上。

寝落ちする寸前まで本を読んだり、

ギターを弾いたりと、

何らかの活動をしていた。


もちろんこのような

狂気染みた生活は長くは続かず、

20代後半にさしかかる頃、

僕は価値観の修正を余儀なくなれた。

今の嫁と付き合い出したのだ。

次第に僕はこう考えるようになった。


睡眠は人生において不要なものだ。

しかし、人生を充実させる点において、

人は睡眠を必要とする。


悲しいかな根付いた生活習慣の

完全なる修正はならず、

寝落ちをするまで何かをして

起きていようとする行為だけが僕に残った。

今もベッドで寝ることはほとんどなく、

ソファか床の上で寝ている。


ところが、どういう訳か

連休に突入してから

僕は急に夢を見るようになった。


しかも、その全てがもれなく、

長編推理小説の最後のオチが、

転倒殺人事件の凶器が

バナナの皮だったというような、

とてもくだらない内容なのだ。


昨夜の夢は、ライブ当日に

僕はエレキギターを忘れてしまい、

そのことについて

メンバーに烈火の如く罵倒され、

生きる気力を喪失した僕が

植物になり光合成をして生きていく、

という内容だった。


文字におこすことで

その現実味のなさが強調されるが、

不思議なことに、夢の中では

これらは疑いようのない事実なのだ。

実際に、このようなくだらない内容でも

僕は涙を流しながら目を覚まし、

『夢でよかった』と

心の底から声を絞り出していた。


連休はまだ始まったばかりだ。



BGMtricot『爆裂パニエさん』

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コメント: 4
  • #1

    つち (水曜日, 01 5月 2019 14:38)

    夢については、未だに解明されていないことが多いけど、寝ている間に脳が行う情報整理の際の「ノイズ」ではないかと言われている。分からなくて悩み続けたことが朝起きると分かったりするのは、頭が整理され、点と点が繋がった為だ。情報整理という意味で、寝ることは大切なことで、寝る直前まで、あーでもない、こーでもないと悩むことはミラクルを産む為に必須の行為であるからして、ひさやんはそのままで生きていってほしい。

    あくまでノイズである夢だが、安全な仮想空間でこれから来るかもしれない危機をシュミレートできる利点もある。そんな訳で、ライブの時は、エレキギターは忘れないでね。

  • #2

    中村 (木曜日, 02 5月 2019 02:11)

    それ正解!

  • #3

    廣川 (木曜日, 02 5月 2019 09:14)

    うちは逆に毎日のように夢を見る。大概起きたら忘れてしまうのだけれど、中には小説のようなおもしろい場面、展開のものもある。意味があるのかと思って調べたら、土屋先生のおっしゃる内容の通り情報整理をしているらしいとのことだ。それでも夢を見るのが楽しみで、寝るのは楽しいし、休みの日などなかなか起きられない。困ったものだ。私は現実逃避をしたいのかもしれない。なので睡眠時間少なく生きられるひさやんが羨ましい。短時間睡眠で生きていける人は、そういう体質らしいよ。けどあんまり無理しないでね!あと光合成もしないでね!(シドニアの騎士かよ)

  • #4

    中村 (木曜日, 02 5月 2019 10:57)

    廣川さん〉
    無限月読を発動した日は、体力を使い果たして冬眠モードに入るけどね!