今から自棄酒をして路上で寝る

金曜日の終業後に

モジプール飲み会を企画していたが、

想定を遥かに超える残業と

直面することになり、

会を延期せざるを得なくなった。


予期せぬ残業を終え、

怒り心頭に発した僕は

いきつけのバーに出向き、

バーのマスターに

『今から自棄酒をして路上で寝る』

という宣言をした。

バーのマスターは、

1日に何度も同じ作業を繰り返し、

そしてこれからも繰り返し続けるであろう

冷えたグラスにウイスキーと

炭酸水を混ぜ合わせる作業を

まるで精密機械のように

淡々とこなしながら

『ろくでもねえ人間だな』と言い、

僕もそれに同意した。

そして、何かを察したのか

無料で僕に餃子を提供してくれた。

またメンバーを連れて

飲みに来てくれと言われたので、

そうしたいと僕は回答した。


幸運にも路上で寝るという宣言は

達成されなかったが、

随分な量の酒を飲んだ。


たまたまバーの隣の席にいた女性と

何かを熱心に話し込んだ気がするが、

僕はその内容をほとんど覚えていない。

唯一僕の脳内に留まっているのは、

猪肉はきちんと血抜きをすると、

驚くほど臭みがなくなる

という類の話をしたことだけだ。


その翌日、

二日酔いで顔を腫らして

美容院へ行く羽目になることを、

この時の僕はまだ知る由もない。



BGM:Oasis『Wonderwall』

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コメント: 2
  • #1

    つち (日曜日, 31 3月 2019 11:19)

    ホンマ、残念やったな。しかし、路上で寝なくて良かった。そなたは生きろ!

  • #2

    廣川 (日曜日, 31 3月 2019 11:39)

    路上で寝る宣言(笑)
    生きててよかったわ!
    我々には次という未来がある!